マネジャー経験のないコンサルタントにはリサーチだけさせろ
となりますか?
先日の記事『マネジメントとは』に続き、『MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方』からピックアップ。
戦略の実行を立案から切り離せば、教室では(そして、コンサルティング会社や企業の企画部門にとっても)都合がいいかもしれない。しかし、それでは実務の要請に反することが多い。
戦略とは双方向のプロセスであり、思考と行動の間の絶え間ないフィードバックが欠かせない。はじめから完璧な戦略などない。
戦略は経験を通じて進化していくものだ。
誰かが上のほうで指示を下し、それ以外の人たちが下のほうでそれを実行するためにかけずり回るというやり方は、えてして破滅につながる(もちろん、失敗の責任を押しつけられるのは実行を担当する人たちだ)。
戦略家は現実から遊離してはならない。
自分が戦略を立てる対象について把握しておく必要がある。状況に応じて戦略を調整することも求められる。そうやって、少しずつ戦略が形づくられることも多い。
要するに、「学習」が不可欠なのだ。
と、H・ミンツバーグ先生は熱弁をふるっていらっしゃいます。
ヘンリー・ミンツバーグ - Wikipedia
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヘンリー・ミンツバーグ(Prof. Dr. Henry Mintzberg 1939年9月2日 - )は、カナダのマギル大学経営大学院のクレゴーン記念教授、およびINSEADの組織理論学の教授である。
その思想
ミンツバーグは純粋な理論家とは一線を画す異色の経営学者である。彼の名を一躍した「マネージャーの仕事」は実際のマネージャーの活動に随行することで得られた資料を分析したもので、そこにはすでにミンツバーグの研究方法の独創性が示されている。彼は経営においても実践を重視し、芸術的要素・右脳的要素を重要視する。 彼はマイケル・ポーターに代表される純理論的な経営理論を批判し、よきマネージャーは教室では育成されないと主張。独自のマネージャー育成の教育プログラムを立ち上げると共に、経済以外の分野にたいしても積極的な言論活動を続けている。
今更ながらですが、おっしゃる通りだと思いました。
過去の実績を振り返ってみると…
うまくいっていたケースでは、
自分自身が実務を掌握しており、描いたゴールや方向性をメンバーたちと共有できていたことで、予想通りの成果だけでなく、派生効果まで享受できたと記憶しています。
逆に、うまくいかなかったケースは、
実務が掌握できていない段階で、当然ながらゴールがイメージできていなかったり、描けたとしても現実感に乏しい超仮説だったり、自身の朝令暮改によってチームを右往左往させる結果に陥りやすかったなと。
戦略など、効を焦って無理に立てたりせず、それらしい仮説が持てるまでの間は、KKD(勘と経験と度胸)で実務の掌握に集中する。^^;
ただし、掌握に要する期間が短ければ短いほど、戦略性のある行動につなげられるので、何しろ当初は行動を優先させる。
掌握までの間、もしも上からおりてきた戦略に現実感がなかったら、腹に落ちるまで下におろしたりしてはいけない。いっそ組織内の熟練者、経験者にアドバイスしてもらうべし。
流行りの「見える化」や「測る化」は目的ではなく、MBAホルダーが得意とする過程の一つ。
それは、定量的な「事実」を整理してくれるかもしれないが、利害関係者のモチベーションや想いまで含めた「真実」までは伝えてくれない。
Management by wondering around.
行動して、五感で感じて、腹に落ちてこそ
真実に目を向けた、身のある戦略が自然と湧き上がってくるはずなんですね?
できる化=見える化×測る化×感じる化
で、いかがでしょう? ミンツバーグ先生?
H. ミンツバーグ経営論 | |
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BOOKデータベースより
目次:
第1部 マネジャーの仕事(マネジャーの職務―その神話と事実の隔たり
計画は左脳で、経営は右脳で
プロフェッショナル組織の「見えない」リーダーシップ ほか)
第2部 戦略(戦略クラフティング
戦略プランニングと戦略思考は異なる)
第3部 組織(組織設計―流行を追うか、適合性を選ぶか
オーガニグラフ―事業活動の真実を映す新しい組織図
政府の組織論)
補遺 アングロサクソン経営を超えて(インタビュー)
※ こっそりと、七のゾロ目タイムスタンプの記念記事です。