2009年09月06日

自民党から民主党への政権交代をマーケティング発想で考察してみる #senkyo

我が国の総理大臣は、『久しぶりにO型』になるようですね。w

そんなおちゃらけたリーダー論の一方で、世間では「政治的成熟度の低い国民を象徴してきた自民党が、その役割を終えた。」というような敗因分析がメインストリームのようですが、

当ブログ的には、『国家運営にマーケティング発想を!』なんてことをつぶやいてしまっているので、それっぽい現状分析をば備忘ログ。


▼政党を『プロダクトライフサイクル』に見立てれば、「衰退期」にあったのが日本の政治市場

国民一人あたりGDPの国際比較で順位を下げ続ける日本。

その間、立法府=政党政治がまともに機能していたと考えるのは極めて困難でしょう。

それ以前、日本国憲法の発布から60年安保を経て、米国という後ろ楯を得た自民党は「リーダー」の地位を安泰にし、第二次大戦後の国家間競争における「導入期」のキャズムを越え、経済大国と呼ばれる地位を獲得しました。

その間、55年体制と呼ばれた対抗軸として、政治イデオロギーの異なる社会党が数の論理における「フォロワー」の地位を固める中、自民党と社会党の両方をフォローした民社党、公明党や共産党などの思想(宗教)政党が「ニッチャー」としてそれに続く。

そんな構造の一番の問題点は、純然たる「チャレンジャー」がいなかったこと。

この「チャレンジャー」を作ることが、小沢一郎をはじめとする自民党竹下派から離党した面々の着眼点だったはずで、『カニバリゼーション』によってリーダーを有利にする中選挙区制ではなく、小選挙区制に移行したまでは順調に推移した。

しかし、新進党で、公明党という「ニッチャー」を受け入れてしまったことがボトルネックとなり、「チャレンジャー」の地位は獲得できず仕舞い。

結果、「総選挙を経ない首相交代を繰り返した」自民党の敵失が生じた今日まで、無駄な時間を要してしまいました。


▼二大政党制ではなく多党連立制

ここで一つ、ネット上でよく見かけるコメントでおやっ?と感じるのが、「自民党・一党支配から二大政党制への移行」というトレンドの受け取り方です。

二大政党制はイギリスの流れをくむアメリカや、オーストラリアなどの英連邦諸国ではスタンダードですが、フランスやドイツなど他のヨーロッパ先進諸国ではスタンダードではありませんよね?

また、東西冷戦期にあっては強大な敵陣に対抗するために意思決定を速める必要があり、利害関係者の数を絞り込む上で有効だったかもしれませんが、逆に冷戦を構造化させ長引かせたといえなくもありません。

これからの日本は、独仏や北欧などのヨーロッパ先進国と同様、比較第一党のリーダーやチャレンジャーが、複数のニッチャーを従える多党連立制で推移するのではないでしょうか?


▼まずは「リーダー」候補としての信頼を醸成しつつ目の前の果実をとる

経緯はどうあれ政権交代は「起きた(本日時点では起きる)」わけですから、政権発足後90日〜100日程度の間に実現可能性のある戦略を示し、任期中の4年間の信任を得ることが必要です。

特に優先順位が高いのは「即効策」で、目の前にあるリソースを抜け漏れなく正しく見つめて「日銭を稼ぐこと」が大事ですね。

DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー: 衰退産業には衰退期の競争戦略を
衰退産業の処方箋として一般的なのは「収穫戦略」といわれているものです。詳細は論文をご確認いただくとして、こちらの論文では収穫戦略を掘り下げて衰退期の戦略について述べています。衰退産業といっても、市場というのはそう簡単にシュリンクしないものです。衰退しているようでも、残存需要があります。この残存需要をめぐって、早めに手を打つことが大切です。ポーターの一連の競争戦略のフレームワークを使えば、相応の利益が得られるのです。

「井戸の水が減ってきた」と言って騒ぐのではなく、「井戸に残っている水をすくい取る」と。

いわゆる「不急の埋蔵金活用」や「無駄な事業の廃止」などによって財源と言うリソースをすくい取り、有権者への直接投資によって実感を伴う成果を創出していけばいいわけです。


▼成長戦略の目標は、「2015年までに、国民一人当たりGDPで、世界のトップ10に復帰する」こと

[世] 世界の一人当たりの名目GDPランキング』によると、我らが日本は@38,559ドル(358万円)で23位です。

ちなみに、『サッカーの日本代表:FIFAランキングが40位』ですから、それよりはマシといったところ。

もとい、

現在10位のオランダが@52,019ドル(483万円)ですから、その差は約130万円。

いわゆる扶養控除の上限と近しいところは皮肉でしょうが、小手先の施策では容易に追い越せないところまで落ち込んでしまっているんですね。

ただ、少なくとも『1990年代にはトップ10の地位を確保』していたわけですから、決して無理な目標ではないこともおわかりいただけると思います。

そして、これぐらいチャレンジングな目標を設定し実現していかないと、リーダーもチャレンジャーも存続できないはず。

というか、我々国民もそういう視点で政権を選ぶ意識や視点を持たなければいけないということではないでしょうか?


▼戦略目標を達成するために必要な戦術・戦法とは?

次にエントリーする予定の『高卒の時代』で提言してみたいと思いますが、こと国家間競争における前提として、「リーダーたるアメリカや中国、ニッチャーの日本」と割り切る勇気=ポジショニングが必要なのかもしれません。


衰退期 とは - コトバンク
市場発達の末期段階。
時間を横軸、売上高を縦軸とした製品ライフサイクルでは、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4段階を経ながら、S字型のカーブが描かれる。

衰退期の段階に入ると、売り上げは低下し、利益も激減する。新規投資がほぼ不要であるため、一部のリーダー企業はキャッシュを生み続けることができるが、それ以外の企業は、撤退するか、イノベーションにより新たな価値の創造を行うか、どちらかの戦略をとることになる。



N's spirit リーダー、チャレンジャー、ニッチャー、フォロワーの戦略
■業界地位と戦略

マーケティング戦略を考えていく上で、業界地位を考慮しておくことは大変重要です。業界の地位に見合った戦略をとることで、企業の体力の消耗や顧客満足への阻害を防ぐことができるからです。

企業の業界地位は大きく次の4つに分けられます。

リーダー企業・・・市場においてナンバー1のシェアを誇る企業
チャレンジャー企業・・・リーダーに次ぐシェアを保持し、リーダーに競争をしかける企業
ニッチャー企業・・・小さいながらも特定の市場で、独自の地位を築いている企業
フォロワー企業・・・リーダーやチャレンジャーの戦略を模倣して、
            市場での地位を維持している企業



「成長戦略を捨てるな」:日経ビジネスオンライン
 問 民主党は大企業より中小企業の救済、育成に注力する政策を掲げています。

 答 厳しい経営環境にある中小企業の現状を考えれば、その法人税率を引き下げるという政策に反対ではない。ただ、大企業の法人税もこのままでいいはずはないだろう。

 アジアや欧州の実効税率は20%台が一般的。一方、日本は40%と世界で一番高いとされる。これに「最低賃金1000円」がもし本格導入されるなら、正直言って日本国内で会社を経営できなくなる。

 日本経団連の会合では、「工場だけではなく、本社を海外に移転することも検討せざるを得ない」との会話を交わすことが少なくない。日本で頑張りたくとも残れない状況が迫ってくる。とても残念な話だ。

2009-09-05 捨てる神あれば拾う神ありだから、海外に打って出て勝てるなら胸を張って日本を捨てればよい。勝てる自信がないから政治や行政に依存する。そんな経営者たちに高額な報酬を与え続ける余裕が、これからの日本にないことだけは確かでしょう。


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第4章 赤字個人の台頭と日本の衰退
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1966年生まれ。熊本県出身。中央大学理工学部卒、早稲田大学社会科学部卒。銀行勤務などを経て、現在はコンサルティング系中小企業の経営者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



posted by 課長007 at 15:15 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - 自民党から民主党への政権交代をマーケティング発想で考察してみる #senkyo
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