東京新聞:東京人口1300万へ 来年にも 地方疲弊集中に拍車:社会(TOKYO Web) 2008年12月27日
東京都の人口が膨らんでいる。地方経済の疲弊が一極集中に拍車を掛けたとみられ、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)や都の予測より約五年早く来年にも千三百万人を超える可能性が高い。独特の魅力で移住者を集める沖縄県ですら予測より十五年も早く人口減が始まるとの試算もあり、全人口が減る中で東京の「一人勝ち」の波紋は広がりそうだ。
社人研が二〇〇七年五月にまとめた推計では、東京都の人口は一〇年に千二百九十万人、二〇年には千三百十万人とピークに達し、二五年に千三百四万人と減少に転じる。今年三月の都の推計でも一五年に千三百八万人に増え、二〇年は千二百九十四万人に減るとしていた。
100年に一度の危機だから、選択と集中で難局を乗り切る。
なんて言い訳が聞こえてきそうですが、そりゃ一企業とかのレベルの話であって、国土・国家の運営シーンでは、ちょいと“近視眼”的発想なんだろうなと。
要旨(『日本の市区町村別将来推計人口』(平成20年12月推計)) 国立社会保障・人口問題研究所
ロー・データをExcel形式で公開してくれているので、グラフにしてみた。
これだけ見ると「ふーん」って感じかもしれませんが、問題なのはこちら
東京都の人口シェアが高くなっていくんですね。
ヤバいですねぇ..
地方切捨てかそうじゃないか、ではなくて。〜大垣夜行/ムーンライトながら終焉の記事〜 - 教育・受験に携わる社員として〜「和顔愛語 先意承問」 [2008年12月24日
このような記事に反応して「地方切捨ては良くない!」と声高に叫ぶ、あたかも正論のような論がはびこることが良くあることに、いつも疑問を感じるからです。
課長007にとって問題なのは「地方切捨て」ではなく、「東京一極集中」なんですね。
ある意味「東京を追い出されて」埼玉に移り住んでるわけです。^^;
なんて個人的な被害妄想より、地震やらなんやらの都市災害の方が心配
なわけですが、それもまた破滅に向かう集団の習性と言われてしまえば
はいそれまでよ。
堺屋太一が語る“格差是正”の処方箋 「人脈、情報、地域の固定化で拡大した格差を解消せよ!」|『週刊ダイヤモンド』特別レポート|ダイヤモンド・オンライン 2008年12月03日
地方に住んだこともない二世議員
東京一極集中が生む「独り善がり」
平成になってから国会議員やテレビタレントに二世が増加しているが、それ自体は日本社会全体を歪めるほどの大きな数ではない。だが、それを生み出している人脈格差とそこから生じる情報偏向は重大である。
たとえば、二世の多くは東京生まれ・東京育ちで東京暮らし、地方生活の経験がない。地方選挙区の国会議員でも、二世の多くは東京に住み、選挙運動に地元(選挙区)に出張、笑顔と握手を振りまくだけだ。
そのうえ、80年頃からは政府の地方支局やマスコミ、大企業の支社・支店の要職者もほとんどが単身赴任者、勤務地ではおコメもスーツも買わず、子どもの親として学校行事に参加することもない。彼らの得る地元の情報は統計データと耳学問で、実感を伴ったものではない。このため、いまや東京は地方情報の乏しい独り善がりの権力中枢となってしまった。
東京の独り善がりは地方に対してだけではなく、外国に対しても著しい。日本に入る外国の情報は、東京にある官庁かマスコミを通じたものに限られているため、多様性が乏しく慣例と思い込みで偏っている。
東京は米ドル札で買い物のできない世界で珍しい大都市であり、韓国製の現代自動車も中国製ハイアールの電気製品もほとんど見られない唯一の大都市だ。ここでは、世界に名の知れた韓国や香港のファッションデザイナーも、超高層を続々と設計している中国の建築設計者もまったく知られていない。
いまや日本は、東京の千代田区と港区に集中した「出島」からしか外国情報の入らない不便な社会になってしまった。このことが、この国をおもしろみのない世の中にし、国民の意欲と創造力を奪っている。
日本の常識は世界の非常識といわれて久しい。東京と地方の情報断絶も重要だが、世界と東京との情報の相異もまた深刻である。
大都市産地の地域優位性 (大阪経済大学研究叢書) | |
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■目次
第1章 産業集積地域をめぐる「優位性」概念の変化
第2章 日米における履物産業の実態
第3章 阪神大震災における神戸ケミカルシューズ産地の変容
第4章 エスニシティによる社会経済的ネットワーク―在日韓国・朝鮮人と神戸ケミカルシューズ産地
第5章 東京都台東区履物産地の存立形態―高付加価値生産に向けたネットワークの形成
第6章 多様な地域資源のネットワーク形成による地域優位性の再構築
終章 大都市における中小零細企業の集積の持続性と地域優位性
■内容(「BOOK」データベースより)
日本の町工場はなぜ生き残るのか。経済のグローバル化のなか、中小零細製造企業を主としつつも東西大都市地域に位置し、二大履物産地としてともに優位性を確立してきた、浅草と長田。両地域の未来に向けた取り組みなどを通して、大都市における製造業のあり方を探る。
■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山本 俊一郎
1974年生まれ。東北大学理学研究科博士後期課程修了。理学博士。現在、大阪経済大学経済学部准教授。専門は経済地理学。「水沢鋳物産地における製品転換と企業の存立形態」『季刊地理学』(58巻1号、2006年、東北地理学会研究奨励賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)