2008年08月30日

IT業界の“エンジニア”に未来はあるのか?

mixiの100超えトピック『[mixi] SI・IT業界人脈ネットワーク | なぜフリーエンジニアは評価が低いのか?』の推移を見ていて、IT業界の構造的な問題(?)に思いを致す。

トピ立て初期に一つだけ書き込んだのはこれ

14 課長007

高い安いの分岐点として、能力と姿勢を極端な例えで比較すれば、
・全部できるし任せられる
・一部しかわからないし責任感も希薄

「フリー」と自称している人の多くが前者だと思いたいところですが、そういう人は既に組織持ってたりするんですよね



まず企業サイドの問題として、『JD:ジョブ・ディスクリプション』や『工事進行基準』といった業務管理のルールとプロセスが未熟な部分は多々あると思うので、それはそれできちんとしている企業がよいエンジニアを確保できるような淘汰が起きて欲しいところです。

できるだけIT業界という狭い分野に限定しないように書いたつもりですが、その後の書き込みはあくまでもIT業界、しかもSI・受託開発の下請け・孫請けがメインストリームになっている模様。

なぜ、視野を広く持ちたかったのかといえば、IT業界の「フリーランス」という呼び名というかポジショニングに違和感があるからでして…


先に結論から言うと、

IT業界の“エンジニア”は、製造業のライン工と同等の職種に位置づけられるようになる(なっている)のではないか?

という問題意識です。


まず、SI・受託開発という労働集約的なビジネスモデルの先達としては、

・建設・プラント業界
・出版・マスコミ・エンタメ業界

などが近しいところで、「フリーランス」をこの二つの業界に当てはめてみると、「建築士」や「クリエイター」といった職種分野が該当するのだろうと捉えてます。

この分野に限らず、製造業における「工業・商業デザイナー」などを含めたスペシャリストは、自らの作品を明示してコンペに参加し、一般社会の目に触れることが可能な実績を残すことができます。

しかし、SI・受託開発ビジネスに携わる多くの“エンジニア”は、企業や官公庁など組織内の業務プロセスをIT化する部分に関わっているだけで、一般の目に触れるような「作品」を明示することはまずできません。

また、たとえ一般消費者が使うようなパッケージソフトの開発に関わったとしても、大抵の場合は開発プロセスの一部に携わるだけで、設計・開発のすべてに網羅的に関われるスキルを持つようなエンジニアはそう多くないはず。

失われた10年、ITバブル → ネット・バブル崩壊、デフレ・スパイラルといった経済情勢であったり、オープン化、Web2.0/CGMといった業界の流れや技術の進歩は必然的に、エンジニアの仕事を標準化・単純化させ、残る労働集約的な作業の売価下落につながっています。

フリーランスという勇気ある選択をした人たちですから、相応のバイタリティを持ってこそだと思うので、スキルを高め・広げて付加価値を確保していくんだと思いますが、そこからこぼれる人たちが少なからずいるであろうことは想像に難くありません。


IT業界の“エンジニア”は、製造業のライン工と同等の職種に位置づけられるようになる(なっている)のではないか?


ITエンジニアに限らずとも、成熟市場の日本における働き方は過去の価値観や位置づけが大きく変化していくでしょうから、自らの身の振り方を含め夏休みの宿題『キャリア&ライフプランの再構築(リストラクチャリング)』の考慮ポイントとさせていただきます。


↓価値基準のよくわからないランキング

「利用したいSIer」首位は日立コンサル,2位にパナソニックSS,大塚/Fieldingがやや後退:ITpro 2008/08/21
 日経マーケット・アクセスがITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に行った2008年7月調査での,システム・インテグレーター(SIer)の主要企業への「今後利用したい」(利用意向)率は,トップが日立コンサルティング(26.5%,前回は16.7%で32位),2位がパナソニック システムソリューションズ ジャパン(PSSJ,25.4%,前回は15.7%で39位),3位がNECネクサソリューションズ(23.7%,前回は16.5%で33位)。前回2008年4月調査で中〜下位にランクされていたSIerが大きく上昇した。



働く人の視点からみた企業ランキング 『働きがいのある会社 日本におけるベスト25』を出版(財団法人労務行政研究所) - ベンチャープラス 2008/07/01
 人事関連書籍の出版・販売を手掛ける株式会社労務行政は、このほど『働きがいのある会社 日本におけるベスト25』(以下、本書)を出版いたしました。
 本書は、企業に在籍する従業員アンケートの結果を基に、“働きがいのある会社”を判定するという、これまでにないまったく新しいアプローチによる企業ランキングです。
 2008年1月28日付けの『日経ビジネス』の特集記事で掲載された25社について、個別企業に展開し、具体的な取り組み内容を紹介しています。
 さらに「働きがいのある会社」のベースとなっているGreat Place to Work®の考え方や開発の歴史、モデルとともに、日本や世界各国の「働きがいのある会社」の特長や事例について解説することで、「働きがいのある会社」の本質に迫っています。



関連しそうな「泥カン」:

「10年は泥のように働け」「無理です」――今年も学生と経営者が討論 − @IT 2008/05/28
 昨年、情報処理推進機構(IPA)が開催したIT業界の重鎮と現役学生による討論会で、学生の持つIT業界への「ネガティブイメージ」が明らかにされたのは記憶に新しい。5月28日、IPAが開催したイベント「IPAX2008」で、再び経営者と学生の討論会が行われた。IT産業が国際的な飛躍をめざすために学生に期待することが今年の討論のテーマ。



第1回泥カン無事終了。 まとめと一部スライド公開 - キャズムを超えろ! 2008-07-14
7/12(土)に実施した泥カンこと「76-86交流イベント」のモデレーターとして参加させていただいた。主催者なのかモデレーターなのかよくわからん感じだったが、主催者は東京大学の川原先生である。

自分が学生時代に見えなかった「ベンダー」と「SIer」と「メーカー」そして「サービス提供者(さーびさー?)」の関係を伝えることができたのは収穫だった。やっつけ仕事感漂う絵柄で恐縮だが、そのスライドを載せておこう。

どのポジションが勝ち組で、どこが負け組みかという話じゃなく、どこをやりたいのか? という話。仕事を探す時にはこの構図を頭に叩き込んで、どういうことをやりたいのか、それぞれの仕事はどういった内容なのか、といったところを調べてアプローチしてほしい。それができていれば、面接で落ちることも減るし、入社後に「思っていた仕事と違う!」となってすぐ辞めちゃう、ということも減るはずだ。



IT企業は「泥のように働く」業種なのか「泥カン」開催 - Ameba News [アメーバニュース] 2008/07/19
 「泥のように働く重要性」「泥カンについて一言」と題された、「ひがやすをblog」と「日記を書く[・ _ゝ・]はやみずさん」というブログが話題となっている。これらは、12日、東京大学で行われた「IT企業はほんとに泥のように働かされるのか ?ナナロク世代がお答えします?」というカンファレンスの内容から書かれたものだ。

 カンファレンスの主催は東京大学大学院情報理工学系研究科の助教授、川原圭博氏で、このカンファレンスは通称「泥カン」と呼ばれるようだ。

 ひがやすを氏は、カンファレンスで「IT企業では泥のように働かされる印象は総じてない」という方向に落ち着いたことに対し、「パネラの方は、本当に泥のように働いてはこなかったんだと思うけど、自分のやりたいことができるようになるには、泥のように働かないといけないと思うよ」と述べている。



関連しそうな過去記事:

受託開発モデルは死んでしまうのか? 2007年12月11日
今、我が社はビジネスモデルのターニングポイントを向かえている。

そもそも、そこを見込んで入社したわけなんですが、

既存の受託開発モデルに頼らずに、新しいSaaS商品に顧客の意向を振り向けようとしても、イニシャル売上の高い受託開発から得られるキャッシュには目がくらんでしまう。



SEとは開発者か製造者か 2006年11月18日
以前から、「日本のSE(システム・エンジニア)の中で、本当に“開発”している人はどれぐらいいるんだろう?」という疑問があります。

実は何か新しいモノを作る“開発”ではなく、要求仕様に基づいてコードを書く“製造”しているだけなんじゃないのかと思うわけです。



SIerもメーカーも「Web2.0でビジネスに勝つ」 2006年07月08日
ウルシステムズさんもサンマイクロシステムズさんもWeb2.0です。



ITとは? 2006年01月13日
英語、information technology の頭文字をとったもので、情報技術のこと。

との位置付けが一般化しましたが、確か以前、“i”を意味する英語は下記のような変遷をたどったと聞いた記憶があります。



追記:

なぜIT業界のエンジニアはタコツボから抜け出せないのか?


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■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ピンク,ダニエル・H.
ノースウェスタン大学卒業、エール大学ロースクールで法学博士号(J.D.)取得。世界各国の企業、大学、組織を対象に、経済変革やビジネス戦略についての講義を行なうかたわら、『ワシントン・ポスト』『ニューヨーク・タイムズ』『ハーバード・ビジネス・レビュー』他精力的に執筆
大前 研一
早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院で工学修士、マサチューセッサ工科大学大学院で工学博士号を取得。現在、(株)ビジネスブレークスルー、(株)大前・アンド・アソシエーツ代表取締役。ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長。世界的なオピニオンリーダーとして、グローバルな視点からの提言を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

posted by 課長007 at 10:58 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | マネジメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする はてなブックマーク - IT業界の“エンジニア”に未来はあるのか?
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